5年間ずっと「おいしくないものも、おいしそうに」をテーマに、嘘みたいな商用写真を撮りまくってきたニィニだよ
料理の写真を撮る際、お皿がいっぱいあると「何を基準に撮ったらいいのか」と悩みますよね…。
この記事では、
- 料理の写真を撮るのが好き
- 思わず目をひく写真を撮りたい
- でもうまく撮れない…
- うまく撮る「考え方」を知りたい
- うまく撮る「簡単なコツ」を知りたい
という方に向けて、
お皿がたくさんある「集合料理」を上手に撮る、3つのコツをご紹介しています。
先日ご紹介した「単品料理編」はこちらから。
- スマホで撮影しています(ポートレートモードがおすすめです)
- 「おいしそうに見えるの、料理や皿のおかげじゃん!」とならないよう、超ジミ飯+超ジミ皿にしてます
- 写真は無加工です
集合料理をおいしそうに撮る3つのコツ
家庭でも、夜ご飯はメイン・副菜・白米・味噌汁・フルーツなど…、食卓にお皿が複数並びますよね。
全部を写真におさめようとすると、「イマイチおいしそうに見えない…」となりがち。
でもコツを掴めば、嘘みたいに見違えるおいしそうな写真にすることができるんです~!
ではさっそく撮影に入りますね。
撮影に使うのは、渾身のジミ料理だよ
ビフォー①
よくあるのが、並べたまんまを真上から撮った構図。
SNSに載せても
あっそうですか
で終わりそうだし、「いいね」なんて1つももらえなさそうですよね…。(むしろこれに「いいね」くれた人とは一生友だちでいられる)
ビフォー②
もうひとつよくあるのが、「とにかく全部いれてやる」と思うあまり、ものすごい独特な角度から撮っちゃうパターン。
「全部入った!」という達成感から、とんでもないわき役がメインになっている違和感に気づかないことが多いです。
この写真も、絶対にヨーグルトはメインじゃないのに、かなりの存在感を発揮しちゃってますよね。ヨーグルト側も、こんな結果は望んでなかったと思います。
では、このジミーズたちが、どこまで「おいしそう」に見違えるか?
さっそく難易度別に「おいしそうに撮るコツ」をご紹介していきますね。
【難易度低】メインを決めて、それ以外はおまけにする
1番簡単です
欲張って「すべてを写そう」と思うと、ビフォーのような仕上がりになって、結果的に「ひとつもおいしそうなものないわ…」となりかねない。
そこで思いっきり難易度を下げて、「1番見せたいもの」に焦点を絞り、あとはおまけとしましょう。
メインを手前に置き、ほかの料理は後ろに適当に並べます。背景をぼかしてもいいですし、多少見切れても気にしてはいけません。
メイン以外を捨てることで、メインの「おいしそう」だけは救えるので印象に残る写真になりますし、「後ろにたくさんあるな…」と品数のある雰囲気も出せます。
撮り方は前回の「単品料理編」と同じく、アングル低めがおすすめですよ~!
それでは、ジミーズたちもメイン+おまけの構図で撮ってみましょう。
「おいしそう!」には程遠いけれど、太巻きといなり寿司の印象は残りましたよね。
【難易度中】順位を決めて前から並べ、小物で隙間を埋める
次は、料理に順位をつけて並べ替えをしていきましょう。
順位のつけ方の基準は、手前から
- メイン
- 肉・魚のメイン級おかず
(旬食材なども) - 彩りのいいもの
- 白米・味噌汁など
- デザート
が定番ですが、もちろん例外もあります。
並べ替えたうえで次に重要なのが、隙間を埋めることです。
隙間があることで逆にオシャレに見える写真もありますが、飲食店広告の宴会写真などは隙間ゼロが絶対条件。
隙間を埋めるものは、なんでもOKです。お花・しょうゆ・箸置き・フォークなど、食卓を連想するものでもいいですし、料理内容に合うのならコーヒー豆や野菜、料理に使った素材を写り込ませるのもありです。
隙間を埋めていくと、写真がどんどん充実して、ぴったりはまる瞬間がくるはず!
目立ちすぎるもの・食卓にあって不自然なものは、そこに視線を奪われる可能性があるので控えてください。
フリー素材の写真で、実例を見ていきましょう。
- メインの寿司が手前
- メイン級の刺身と焼き魚が2番
- 右の白子は旬食材なので、小皿だけどメイン横
- 後ろに下がるにつれて、高さが出てくる
- 天ぷらはメイン級なので2番に来てもいいが、高さと彩りのなさから後ろに
- 汁物やデザートは最後列
- メインの寿司の皿が特殊で、左右が空くので金の敷物で隙間を埋める
- デザートの皿が透明で後ろがすけるので、花の小物で埋める
- 前半分の料理に高さがないので、上から撮影
- 後ろにいくにつれて、彩りがなくなる
- 同じ小皿が4皿あるのに、隙間を埋めるために前後に分けている
- 隙間を埋めるため、真ん中にちょっと不自然なドリンク
- 丸皿がメインのときは必ず左右が空くので、フォークで隙間を埋めている
- 細長い隙間を埋めるのに、エスプレッソを置いている
逆に、順位通りになっていない例も見てみますか
一見、充実した写真のように見えますよね。
でも、まず隙間を埋めるために手前に置いたアイスが、溶けちゃってるのが気になります。
左後ろにメイン級が残っているのに、真ん中にサラダが来てる…刺身についている笹でお肉が隠れている…前半は詰まっているのに、左後ろはガラガラ隙間が空いている…など、法則に合わない点が多々見られますよね。
本来後ろにあるべき、デザートやサラダが手前に来ています。
さらにデカすぎる皿のせいで、内容がほとんど見えていません。おいしそうなのに、もったいないですよね。
順位ごとに並べる・隙間を埋める、っていう超単純な法則なのに、守らないとこんなにもチグハグな印象になってしまうんですよ。
ではジミーズたちも順位ごとに並べてみましょ
相変わらずのジミさは置いといて、赤いキムチを手前に、高さのあるレタスを最後列にしたことで、全体を把握しすい写真になりました。
次は隙間を埋めてみましょう。
手前の丸には箸を置いて、真ん中の丸はキッチンペーパーの折り方を変えて隙間を埋めてみます。広告じゃさすがにキッチンペーパーでやらないですが、刺身の笹などは折り方変えて隙間を埋めるのに使うことがあるんですよ。
3番目の丸は、適当にそのへんにあるものを置いてみます。
隙間が埋まって色味も足され、写真に充実感が出てきましたね。
【難易度高】広角レンズのゆがみ対応をする
ゆがみってなんやねん
写真で説明しますね。
先ほど隙間を埋めたジミーズの写真、広角レンズで撮るとこうなります。
圧迫感のある、ゆがんだ写真になってますよね。
実はこれ、スマホの通常モードで撮ってます!
スマホの通常モードは、できるだけ広い範囲を拾って撮影しようとしてくれるので、寄れば寄るほど、広い範囲を撮ろうとしてゆがむんですよね。
なんか…90年代のヒップホップのMVみたいじゃないですか…?(伝わらない)
ラッパーが上の方にあるカメラ見てて、そのほかの人が後ろでリズムとってる…みたいな。ゆがんだ写真みると、いつもヒップホップだな~~って思っちゃうんです。
スマホでゆがみを軽減するには、ポートレートモードにするのが1番簡単な解決策ですが、レンズの寄り具合を調整するだけでも軽減できます。
「1X」の部分を「2X」にするだけで、レンズが寄ります。これでゆがみが多少軽減されます。
写りがどれくらい違うかというと…
同じ場所から撮影しても、かなり違いますよね。
でもポートレートモードでも、レンズを寄りにしても、多少のゆがみは発生してしまうんです…。
そして一眼レフの場合も、ゆがみは発生します。
料理の写真をカメラで撮るときは、レンズを1番寄った状態にして撮るのが鉄則ですが、品数が多いと当然、広い範囲を撮れるようにレンズを引かないといけないですよね。
そこで、ゆがみが発生するんです。
実際にゆがんでいる写真を見てみますか
じゃあ、どうやってゆがみを解消するか?
これをなくすのに使えるのが、小銭です。
ゆがみがもっとも顕著に表れるのが左右。左右が垂れ下がったように写っちゃうんです。
そこで、左右にくる食器の下に、小銭を置いて皿を内側に向けます。
全体写真だと細かすぎて伝わりにくいので、キムチに着目して写真で説明しますね。
めちゃくちゃ細かい差ですが、全部整えてみると写真がパキっと整うはずです。
肉眼で確認するのは難しいので、写真を撮りながら調整していきます。難易度は高いですが、やってみる価値ありですよ~!
集合料理の写真をうまく撮る3つのコツ【まとめ】
この記事では、料理の写真をうまく撮りたい!嘘みたいに見違える、超簡単な3つのコツ【スマホ写真で解説】集合料理編をお届けしました。
3つのコツをまとめると…
- メインを決めて、それ以外はおまけにする
- 順位を決めて前から並べ、小物で隙間を埋める
- 広角レンズのゆがみ対応をする
難易度の低いものからお試しください♪
ではここで、「お前なんやねん」っていわれそうな写真1枚、お届けします。
一眼レフ+レフ版を使って撮影した1枚です。
スマホで十分!といわれる時代ですが、私はやっぱりカメラが大好きですね…。
明るさの条件などは全部同じで、この違いです。ということで、今度は「初心者向け一眼レフカメラ」の記事をお届けしますね。
長くなりましたが、ご覧いただきありがとうございました。
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